里人 No.9 奥山 俊二さん

森の中で放牧!ワイルドな牛農家

奥山 俊二さん

南部町で牛の繁殖農家を営む奥山さん
周囲を山々に囲まれた南部町の山の奥の家
森の中からひょっこり顔を出してきたのは
奥山さんが放牧する牛たちだ

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高校生の頃からの夢

奥山さんの家は名前の通り山の奥。家の前の川沿いにはビワやウメの木、花や野草が茂っている。
もちろん畑や田んぼもあり、まさに自然そのもの。

しかし驚くのは自然の風景だけでなく、家の前の道を上っていったその先。

自然の中に牛が放たれている風景だ。
もちろん柵やゲートは作ってあるけれども、手を伸ばせば触れられそうなくらい間近に大きな牛たちが放されている様子は迫力満点。

今でこそこの集落で牛を飼っている人は奥山さんしかいなくなってしまったが、この金山地区は昔から牛飼いが多い地域で、集落内で牛馬市が開かれていたくらいだったそう。

奥山家も例に漏れず牛飼いの家で、もちろんここで生まれ育った奥山さんの暮らしの中には小さい頃から牛がいた。

「高校生の頃から『牛を山に放すこと』が夢だったんですよ。」そう話す奥山さんは、役場勤めをしながら牛の世話をし、59歳で早期退職。退職後徐々に牛の頭数を増やし、退職した1年後に〝牛を山に放す〟夢を叶えたのだ。

また2018年の冬には家畜人工授精師の国家資格も取得している。

現在は親牛8頭、育成牛1頭を飼育している〝繁殖農家〟。母牛を飼育し子を産ませる。
子牛は、生後9~10ヶ月の頃に家畜市場の競り市に出すか、残して将来母牛にするかを決める。

母牛に育てる子牛は14ヶ月頃に人工受精し、スムーズにいけばその後10ヶ月くらいで出産する。

そして生後18ヶ月頃に、和牛登録協会が検査をし、晴れて大人の仲間入りとなるのだ。
ちなみに山に放たれている牛は『妊婦さん』のみで、寒い時期は夕方になると牛たちを牛舎に帰るよう呼びに行くが、夏場は昼夜放牧なのだとか。

 

のびとファームとブログ仲間

雄大で自然いっぱいの自身のフィールドを、奥山さんは『のびとファーム』と名付けている。
退職後、山の中での生活が中心となり人との繋がりが薄くなってしまうと感じた奥山さんが友人に誘われて始めたのがブログ。
『じげブロ』というこのブログの〝じげ〟とは鳥取の方言で〝地元〟という意味だ。

『のびとファーム』は、このブログを通して繋がったじげ仲間たちの集いの場になることもあるそうだ。
県内の様々なところから集まった個性溢れるメンバーが、山から採ったり持ち寄った季節の食材で野外料理をしたり、キャンプをしたりして楽しむ。

牛がのびのび暮らし、人が集う『のびとファーム』は、いつ訪れても魅力に溢れている場所だ。

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