里人 No.10 角田 敦子さん

人とつながる作品づくり
人形劇、布絵、粘土細工作家

角田 敦子さん

工房に入ると所狭しと並ぶ作品の数々
特に布絵は絵画と見間違うほど繊細で美しい
米子市から24歳の頃南部町に嫁いできてはや50年以上
長年幼稚園教諭として働いた角田さんが
退職後自身で始めた新しい〝ワクワク〟

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おはなし・ドン

角田さんが退職後縁あって始めたこと。
その1つが『おはなし・ドン』

お話のあたたかさを地域の子どもたちへ伝えていきたいという想いで始まったボランティアグループだ。
人形劇を中心に、絵本の読み聞かせやパネルシアター等を公演する。

メンバーはだいたい13人くらいで、それぞれが得意分野を活かして脚本から小道具作りまで全てを自分たちで行うそうだ。
もちろん角田さんはその手の器用さから、たくさんの人形を作ってきた。

年に数回公民館での定期公演と、依頼があれば町内の保育園や近隣市町村の施設などに出向く。
現在20年近く続く活動の中で、角田さんは発足から17年間団体の代表を務めたという。

「台詞を覚えるのは頭の体操にとても良いし、何より楽しい!80歳までは続けたいと思っているのよ。」
そう話す笑顔は本当に楽しそうだ。

 

教室の始まり

人形劇の他に、自身の工房で布絵と粘土細工の教室もされている角田さん。

布絵はその名の通り、布を使って絵を作り出す作品で、その細やかさと繊細さは圧巻だ。

角田さんが布絵を始めたのは13年ほど前のこと。
書を習いに行った時に、先生に見せてもらった1枚の布絵がきっかけでその世界にのめり込んだ。

先生からある時、「あっちゃんのものになってきたね」と言われたことや、周りからの布絵を教えて欲しいという声に応え、教室を始めるようになった。

また、幼稚園勤務時代から習っていた粘土細工は、退職後に保護者さんたちに少人数で教えるところから始まり、現在は布絵と同じく自身の工房で教室を開催している。

現在は布絵と粘土細工を合わせて、おおよそ30人くらいの生徒さんが通っているそうだ。

「教室は忙しいけれど、生徒さんが来てお話をしながらたくさん笑うことで元気になるのよ。」と話す角田さん。

他にも絵葉書を書いたり、木彫りをしたり、吊るし飾りを作ったり…。
面白そう!と思ったことは何でもやってみるその姿勢は、幼稚園の子どもから学んだと言う。

77歳になり、今まで始めたいろいろなことを少しずつ誰かに委ねたり、ペースを落としたりしているのだそうだが、「何でもやるからには楽しまなきゃ!」
と話す角田さんのキラキラした笑顔は、そうして自分の体や年齢に向き合うことも楽しんでいるように見えた。

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