里人 No.12 濱本 和子さん

エネルギッシュな
南部町のお母さん

濱本 和子さん

文化や風習、その土地に根付くもの
そして人との繋がり
薄れつつある大事なものを持ち続ける
南部町のお母さんのような存在

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が楽しい

「今日は朝一から腐作りだけん。」
「明⽇はこども堂があるけんね。」

濱本さんと出会って話すと料理に関することが多いのだけど、実は本業は美容師。
さんもお祖さんも美容師さんだったことで⾃⾝校2年の時に通信教育で美容師を指し資格を取得した。

自宅横の『濱本美容室』はご自身が小学校4年生の頃から現在の場所にある。

昔は毎日開けていた美容室は、現在は予約が入った時に店を開けるスタイルにしていて、ずっと昔から通ってくれている常連さんはもう50年になる方もいるのだとか。

濱本さんは美容室の傍、前述の通り豆腐づくりやこども食堂など地域での活動が幅広い。

その他にも籠編みや折り紙などする手先の器用さは高校が家庭科専攻だったことが大きく影響しているのだそう。

「絵⼿紙を書いていたこともあったし、泳や卓球もしてたよ。新しいことが好きだけんなんでもやってみるんよ!」
そんなアクティブさこそが濱本さんがいつもエネルギッシュで〝毎
楽しい〟きな理由の一つなのだ。

 

⼈を⼤切にしたら⾃分も⼤切にされる

実は車がないと生活が厳しい南部町で、車を持っていない濱本さん。

歩いていると「乗っていく?」と声を掛けられることも。米子に出た時にはタクシーで帰ることもあるが、迎えに来てくれるお友達もいて、いつもお世話になる代わりに彼女の髪を切ってあげるのだという。

また、家の隣にあるお試し住宅「えん処や」に誰かが泊まると、朝ごはんを作って持ってったり、作った折り紙をプレゼントしたりする。

「みんなが助けてくれるけん困ったことなんてない。
分が幸せだけんを助けてあげたいと思うんよ。」

そういう濱本さんの周りには助けたり助けられたりという関係がごく常的にあり、都会ではなかなか無いようなとの関わりや繋がりがある。

5月には笹巻き、彼岸にはぼたもちなど、昔は当たり前だった風習が希薄になる現代の中で、〝作る〟〝分かちあう〟という人や地域との関わりや文化がごく当たり前のようにある濱本さんの暮らしは、とても貴重で大切なことに違いない。

濱本さんにはと関わる上で切にしている葉がある。

「気はは丸く 腹⽴てず ⼈はきくさく」

濱本さんの周りに人がいること、また初めて会ってもホッとさせてくれるような安感や温かさは、この葉を事にしてきたからこそなのだろう。
も濱本さんの笑顔と元気な声が、南部町に響く。

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